縮毛矯正はなぜダメージするの?:髪に優しい施術方法を探る
縮毛矯正をする際に多くの方が気にするのが「ダメージ」ではないでしょうか。特に頻繁に施術を受けていると、髪が乾燥したり、切れ毛が増えたりすることがあります。今回は、縮毛矯正によるダメージの原因と、髪に優しい施術方法について探ってみましょう。
縮毛矯正によるダメージの原因
縮毛矯正で髪がダメージを受ける主な理由は、大きく分け3通りになります。
- 薬剤ダメージ
薬剤のダメージはアルカリ剤による表面の損傷と還元剤による内部の損傷、大きく分けて2つに分かれます。 - アイロンの熱ダメージ
アイロンを使用して髪をストレートにする際、180度を超える高温でタンパク質が変性し、髪が硬くなったり、枝毛や切れ毛が増えるリスクが高まります。 - 薬剤残留ダメージ
薬剤が残っている状態で日常生活を迎えるとダメージが倍増します。
どんなダメージか見ていきましょう。
1. 薬剤ダメージ
薬剤ダメージには2種類あります。
還元剤ダメージ
縮毛矯正の1液に含まれる還元剤によって髪の結合を切ることで、たくさんの栄養が抜けていきます。
これが薬剤によるダメージの一つになります。
アルカリ剤ダメージ
還元剤を髪内部に浸透させるためにアルカリ剤を使って表面のキューティクルを開くことで出る髪のダメージのこと
しかし、一度アルカリで開いてしまったキューティクルは日常生活でもキューティクルが開きやすくなり、キューティクルが開くと、髪の内部に含まれる水分や栄養分が外に流出しやすくなります。
これにより、髪の内部が乾燥し、パサつきやゴワつきの原因になります。
さらに、アルカリが強すぎる場合、キューティクルの損傷が大きくなり、髪がザラついたり、艶が失われたりすることがあります。
美容院によって薬剤の種類はそれぞれですが薬剤の選定の仕方一つでダメージの仕方が違ってきます。
どのメーカーが良くてどのメーカーが悪いっていうわけではなく、どの成分がダメージが強くしているかなどの成分を知っていることが重要になってきます。
未だに酸性の縮毛矯正だから傷まないと謳ってる美容院もありますが全くそんなことありませんのでご注意下さい。
2. アイロンダメージ
縮毛矯正はアイロン施術が必須技術になる為、アイロンでのダメージは避けることが出来ません。
通常、縮毛矯正でのアイロンワークは180℃を基準に施術することがほとんどになります(髪のダメージ度合いやクセの強さによって温度は前後します)。
縮毛矯正もカラーもしていなく健康な髪の毛(疎水毛という)は180℃の高温でも大きなダメージを受けることは少なくなります。
しかし、縮毛矯正やカラーを繰り返している髪はその分、髪内部の栄養が抜けてしまっている為、アイロンでのダメージが大きくなります。
- 髪内部のたんぱく変性
髪のたんぱく質であるケラチンが変性し硬くなります。一度たんぱく質が変性すると元の状態に戻ることは不可能になり、髪が切れやすくなったり、毛先がパサついたりする原因になります。 - キューティクル損傷
キューティクルがダメージを受けることもあります。キューティクルは髪の外側を覆う鱗状の層で、内部の水分や栄養を守る役割を果たしていますが、熱によるダメージでキューティクルが剥がれると、髪の内部から水分が失われやすくなります。これにより、髪が乾燥してツヤを失い、触り心地がゴワつくようになります。
3. 薬剤残留ダメージ
薬剤残留には3種類あります。
アルカリ残留
アルカリ性の薬剤を使った場合に出る症状。
通常、髪はpH5.5の等電点ですが、薬剤の影響で髪のpHがアルカリに傾いている状態で日々過ごすことになり、キューティクルが引き締まらない為、日常生活でのダメージが倍増します。
又、髪内部の栄養も抜けやすくなる為、せっかく栄養を入れたとしても留まることが難しくすぐに元の状態に戻ってしまいます。
還元剤残留
還元剤は髪内部の結合を切る成分です。
これが髪内部に残ってしまっているという事は、毎日、髪の結合を切って髪を傷ませてしまっているという事になります。
最近流行りの酸性縮毛矯正によく使われているGMTやスピエラはエステル系還元剤は、髪内部に浸透しやすい成分な為、その分髪内部に残留しやすくなります。
還元剤が残留すると綺麗にかかった縮毛矯正も少しずつ癖に戻り、広がりとダメージが現れます。
過酸化水素残留
2液で使われている酸化剤も髪や頭皮に残留しやすい成分になります。
この酸化剤が残留してしまうと
- 頭皮トラブルの原因に
頭皮に過酸化水素が残ると、皮膚のバリア機能を低下させ、かゆみや炎症、さらにはフケや敏感肌の原因になることもあります。 - 縮毛矯正の持続に悪影響
縮毛矯正の施術後、過酸化水素が残っていると、髪のダメージが進行し、縮毛矯正の持続性にも悪影響になります。
髪に優しい縮毛矯正方法
髪に与えるダメージをできるだけ抑えながら縮毛矯正を行うために、近年ではさまざまな改善技術や施術方法が開発されています。
以下の方法が、今のところ最も髪に優しい縮毛矯正の選択肢になります。
- 薬剤のダメージを緩和
- 栄養をしっかり入れる
- 適正なアイロン処理
- 薬剤除去をしっかりする
1.薬剤のダメージ緩和
ここも細かく分けると2通りに分かれます
低アルカリ、酸性薬剤を使う
従来のアルカリ性薬剤に比べて、低アルカリや酸性の薬剤は、髪への負担を軽減することができます。
酸性薬剤はキューティクルをあまり開かずに浸透し、内部を整えながらクセを伸ばすため、ダメージを最小限に抑えることが可能です。
しかし、低アルカリや酸性薬剤はすべての髪質に対応しているわけではありません。
健康毛でクセが強い髪にはそれだけアルカリのパワーを強くしないと薬が中に浸透しない為、その髪質に合わせた薬剤選定が一番髪に負担を少なくさせます。
アルカリと酸性の違いや向いている髪質についてはこちらをご覧下さい。
薬剤ダメージを少なくするトリートメントを一緒にする
トリートメントの中には薬剤のダメージを少なくさせる仕組みを担っているものがあります。
そのトリートメントを薬剤塗布前に施術することでそもそもの薬剤ダメージを少なくすることが可能です。
2.栄養をしっかり入れる
ダメージした髪にはしっかり栄養を入れてからアイロン施術を行うことでダメージを緩和させることができます。
特に縮毛矯正との相性を考えた時に低分子活性ケラチンを使った架橋トリートメントが理想的になります。
又、アイロン施術前には熱から守ってくれる洗い流さないトリートメントを付けてから施術することで、髪のダメージは最小限に抑えることができます。
オートクチュール縮毛矯正
3.適正なアイロン処理
単純にアイロンの温度は高ければ高い程ダメージに繋がります。
しかし、髪質はそれぞれで髪のダメージも人によって違いますのでその髪に合わせた温度でアイロンをしていく必要があります。
場合によっては根元と毛先のアイロンの温度を変えたり、毛先はまとめてアイロンするなどの対応も必要になります。
又、アイロンの種類によって熱の伝わるスピードが違うのでそれも考慮した上でアイロンを選ぶ必要があります。
Pilastro Hairではストレートアイロンの種類だけで5種類以上あります。
4.薬剤除去をしっかりする
縮毛矯正の薬剤は髪内部に浸透しているほど、髪内部に残留します。
残留してしまった薬剤が髪に悪さをしてしまう為、縮毛矯正の持ちが悪くなったり、髪にダメージを倍増させてしまう為、施術後は必ずしっかり薬剤除去をすることが大切になります。
なので、美容院でどれだけ薬剤を除去できるかでその後の髪の毛のダメージが変わってきます。
残念ながら薬剤除去をしっかりできる美容院はまだまだ少ないのが現状です。
- 前処理…日常生活で髪に残った汚れや皮脂を取り除いたり、薬剤と過剰反応してしまう金属イオンなど余分な成分をしっかり除去し、薬剤の反応をしっかりさせるようにする
- 中間処理…1液を流した後にアルカリや還元剤を髪から出来るだけ除去させます。この処理が甘くなるとアイロンや2液を付けた時のダメージが倍増してしまうのでしっかり除去させます。
- 後処理…2液を流した後にする酸化剤の残留を防ぐための処理をします。酸化物は髪頭皮に残ると老化が進み、髪もダメージしてしまうのでしっかり除去させます。
薬剤除去はこのメニュー
Pilastro Hairでの縮毛矯正アプローチ
当サロンでは、髪に優しい縮毛矯正を提供するために、上記で説明したダメージを最小限に抑える技術をすべて駆使して施術することが可能です。
縮毛矯正を検討している方や、既にダメージが気になる方も、ぜひ一度ご相談ください。お客様一人ひとりの髪質やお悩みに合わせた施術をご提案させていただきます!
まとめ
縮毛矯正によるダメージは、施術方法や使用する薬剤、アイロン前の髪のコンディション、さらには薬剤除去方法で大きく異なります。髪に優しい選択肢を知ることで、ダメージを最小限に抑えながら、理想のストレートを手に入れることができます。あなたの髪を守りながら、美しい仕上がりを目指して、安心できる施術を選びましょう。
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