癖毛解説:種類・特徴・カット&お手入れ完全ガイド
日本人の8割は癖毛だと言われています。もちろん、癖の強さや種類はそれぞれですが、癖毛のせいで跳ねたり、膨らんだり、パサついたりいろんな悩みを抱えています。
特に梅雨や湿気の多い日は、ストレートアイロンを頑張ってもすぐに元に戻ったりしてしまいますので、縮毛矯正が必須な方も多いのです。
くせの種類にはどんなものがあるのか、
どうやってくせ毛とうまく付き合っていくのか、
手入れの仕方は…?
意外と知らないくせ毛について、解説します。
癖毛には大きく分けて2種類
癖毛には、大きく分けて先天性と後天性の2種類があります。
先天性の癖毛とは?
先天性の癖毛は、生まれつきの髪質によって起こるうねりやカールのことを指します。これは主に遺伝によって決まるもので、親や祖父母など、家族に癖毛の人がいる場合、その特徴が遺伝することが多いです。先天性の癖毛は、髪の内部構造の形や、髪を作る毛包(毛根の周りの構造)の形に由来します。
- 遺伝的要因
髪質は主に遺伝によって受け継がれます。癖毛や直毛は、それぞれ複数の遺伝子の影響を受けており、癖毛の遺伝子を持つ親からは、その特徴が子供に伝わりやすいです。例えば、家族に癖毛の人が多い場合、子供も癖毛になる可能性が高くなります。 - 髪の断面の形状
髪の毛は、断面の形状によって直毛か癖毛かが決まります。髪の断面が丸い形をしている場合は、髪がまっすぐに伸びやすく、直毛になります。一方で、楕円形や扁平な形をしている場合、髪が不均一に成長しやすく、カールやうねりが生じ、癖毛になります。 - 毛包の形状
髪の成長は、毛包と呼ばれる髪を包む構造によってコントロールされています。毛包が真っ直ぐな形をしていると、髪がまっすぐに伸びやすく、直毛になります。しかし、毛包が湾曲していると、その影響で髪がうねりやカールを持ちながら成長し、癖毛が生まれます。
先天性の癖毛の特徴
先天性の癖毛は、生まれつきの髪質として現れますが、その特徴は人によって異なり、すべての髪が均一に癖が出るわけではありません。髪の一部分だけが強くうねったり、他の部分がまっすぐだったりすることもあります。
- 部分的な癖が出ることも:髪全体に癖がある場合もあれば、特定の部分だけにうねりやカールが出ることもあります。頭頂部や後頭部など、髪の部位によって異なる癖が見られることが多いです。
- 湿気に影響されやすい:先天性の癖毛は、湿気に対して敏感なことが多く、湿度が高い日には癖がより強調されたり、広がりやすくなります。
- 髪の扱いが難しいことが多い:癖毛は、直毛に比べて髪が乾燥しやすく、広がりやすいことが多いです。そのため、毎日のスタイリングやヘアケアが重要になります。
生後間もない時は頭皮や毛が柔らかく癖は強く出なくても、大人になるにつれて癖が強くなることも多いです。
髪が成熟するのは20~24歳になるのでそれまで髪質は変わる可能性があります。
後天性の癖毛とは?
後天性の癖毛は、年齢や環境、生活習慣の変化によって後から髪質が変わり、癖が出てくることを指します。
- 加齢
年齢を重ねると、髪の内部構造が変化しやすくなります。エイジング毛と呼ばれ、髪が細くなったり、うねりやすくなったりすることがあります。これにより、若い頃はストレートだった髪に、徐々に癖が出始めることがあります。 - ホルモンバランスの変化
妊娠、出産、更年期などでホルモンバランスが変わると、髪質にも影響が出ます。髪の太さや質感が変わり、以前より癖が強くなることも。 - ダメージの蓄積
紫外線や熱、カラーやパーマなどの化学的処理が髪に与えるダメージが蓄積すると、キューティクルが壊れ、髪の内部が不均一になります。その結果、髪がまとまりにくくなり、癖が目立つようになる場合があります。
後天性の癖毛の特徴
後天性の癖毛は、若い頃にはストレートだった髪が、加齢や生活環境の変化に伴って徐々に癖が出てくるのが特徴です。特に、エイジング毛のように髪が細くなり、ツヤが失われやすい状態では、癖が出やすくなります。
先天性の癖の種類
癖毛の大半は「波状毛(はじょうもう)」「捻転毛(ねんてんもう)」「縮毛(しゅくもう)」の3種類になり、日本人の癖毛のほとんどは波状毛ですが、波状毛と捻転毛が混在しているケースや、全体は直毛であっても部分的に波状毛が存在しているケースなど、その状態はさまざまです。「連珠毛(れんじゅもう)」のように数珠が連なったような癖毛もあります。
波状毛
髪が波のように緩やかにうねるウェーブ状の癖。大きなカールが全体に広がることが特徴で、日本人でも比較的多く見られます。
- 短い時はそこまで気にならないことが多いが、長くなるにつれ、横にボリュームが出てくる
- 波状毛の場合、癖を生かすことが出来ることも多いので縮毛矯正をしないケースも多い
捻転毛
髪が捻じれたような形状の癖。髪が不規則にうねり、ねじれるため、一本一本の髪がまとまりにくく見えることがあります。
- うねりではなく、髪のねじれによる癖なので手触りが悪い
- 表面が不均一であるため、パサつきやすく、スタイリングが難しい
- 劇的に膨らむ訳ではないが多少の膨らみが出る
縮毛
非常に強いカールやうねりを持つ髪質です。髪の一本一本が強く縮れており毛が太く見えることも多い。
- 髪が縮れた状態の為すぐに膨らむ
- 扱いが非常に難しく縮毛矯正をしてる人が多い。日本人には比較的少ない癖。
連珠毛
髪の一部が膨張らんだり細ったりする数珠が重なったような不規則な形状の髪。このタイプは、髪が柔らかく、非常に細い場合もあります。
- 髪の太さが一定ではなく、凹凸感がある為、手触りが悪い。
- 他の癖と混合してるケースが多い為膨らみが出ることが多い
- 髪が脆く切れやすい髪が多い。
自分で癖の種類を確認する方法
一本だけ根元から切って紙の上に載せます。
- 波状毛…ゆるく波打っている
- 捻転毛…髪自体が捻じれている。触るとザラザラしている。
- 縮毛…細かく縮れている
- 連珠毛…大小さまざまな大きさの形がある
捻転毛、縮毛、連珠毛の場合は根元から毛先にかけて指で挟んでスライドしても感触の違いがあります。
波状毛の癖の弱い方は一見ストレートに見えることも多いですのでショートの時は癖が分からなくてもロングで癖が分かることもあります。
癖の対策
カット
癖に対してのカットの仕方には『癖を生かす』方法と『収まりをよくする』方法があります。
癖を生かす
自分が癖毛だから縮毛矯正をしないといけない。そう考えて縮毛矯正を長年している方は多いのではないかと思いますが、癖毛でも縮毛矯正をせずにカットで癖を生かすことが出来る場合もあります。
癖毛をカットで生かすとしたらショート、ミディアムレイヤースタイルが多くなります。
この二つの共通点はレイヤーが入っていることです。
髪の重なりが少なくなることで髪の動きが出やすくなるので癖の弱い方は生かすことが出来る。
※ロングのレイヤースタイルは毛先10cm程度しかレイヤーが入らないため癖の動きが出ずらい。どうしても癖を生かしたいならハイレイヤーになります。
表面に短い髪があればある程髪はパサついてきますのでスタイリング剤が必須になります。
パサつきを抑えるオイル系のスタイリングやムースがオススメ。
収まりをよくする
癖毛の髪の悩みは何ですか?という質問で一番多い悩みは広がりです。
髪は長くなればなるほど髪に重みが出てくることで収まりが良くなりますがカットの仕方で収まり方は変わってきます。
収まりを良くするカットの仕方は長さにより変わってきます。
- ショート…トップにレイヤーを入れ、毛流れを考慮しながら量感調整をする
- ボブ…見えない部分を極端に短くする。ツーブロックの刈り上げが一番ベスト
- ミディアム…極端なレイヤーを入れて髪の重なりを少なくする。髪を伸ばす場合デメリットもあります。
- ロング…レイヤーを入れずトップの角だけ切る。
※すべての髪質に対応するわけではありません
初めて担当する癖毛のお客様で「収まりよくしたいからレイヤーは入れないでほしい。」という声は非常に多いですが、長さによって収まりのいいカットの仕方は変わってくるのです。
よくある失敗例
ショートではなくボブスタイルにする…基本的に癖毛の方はボブが一番膨らむので注意。上記に書いたように見えない部分をツーブロックにするなら収まりはよくなる。
ロングでレイヤー…髪の種類によっては癖を生かすことは可能ですが癖が強い方は逆に膨らみやすくなる。
ガンガンに減らす…毛先がスカスカのパサパサになるのでお勧めしない。
毛流れと髪質を考慮しながらカットする事が大切です。
ドライヤー
波状毛のゆるい癖毛は髪をまとめながら乾かすことで癖のまとまりがよくなります。
その他の癖毛や波状毛の強い癖毛の方は乾かし方で収まりを良くすることが出来ます。
出来るだけ水分をタオルで取ります。
※とても重要な作業です。
この時に髪を引っ張りながら乾かすことで癖が伸びます。
癖が強い方はブラシを使ってブロー
※連珠毛の方はブラシを使うと髪自体がちぎれることがあるので注意!
髪に水分が残りすぎると癖がすぐに出てくるので出来るだけしっかり乾かします。
熱で形が変わり、冷えることで固定化されますのですごく重要な工程です。
このやり方で乾かせば普通に乾かすだけより確実に収まりよくなります。
アイロン
ドライヤー工程で収まりが良くならない場合やもっと艶が欲しい場合はアイロン工程をしていきます。
アイロンは髪の負担が強く、大きなダメージに繋がりますのでご注意ください。
- 癖をもっと生かしたい場合はカールアイロン
- 収まりを良くしたい場合はストレートアイロン
縮毛矯正
アイロン工程をしても湿気が多い時は元の癖の状態に戻る為、湿気対策としては縮毛矯正が一番の対策になります。
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パーマをかけるのも一つの方法ですがパーマはパサつきが出ることが多いので逆に手入れが大変になることが多いのでご注意下さい。
まとめ
以上癖毛の種類と対策でした。
髪質、髪のダメージによって対策は変わってくることがほとんどですので何が一番いいかは信頼できる美容師に相談するのが一番です。
Pilastro Hairではカウンセリングのみ(30分¥2,200)でもご来店可能ですので下の問い合わせボタンからLINEで①氏名②相談内容③ご来店日時をご記入の上送信ください。
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